気密測定は中間測定と完成測定の2回が原則です。1回しか行えない場合は中間測定を選びます。中間測定は気密層の施工が終わり、内装の石膏ボードを張る前に行います。この段階なら漏気箇所を特定してその場で是正できますが、完成後の是正はほぼ不可能だからです。

この記事でわかること
- 気密測定は何回、いつ行うのか
- 中間測定と完成測定の役割の違い
- 1回しかできないならどちらを選ぶか
- 中間測定の正しい実施時期の見極め方
- 工程表にどう組み込むか
気密測定は何回行うのが正しいですか?
2回です。目的が違うため、どちらかで代替することはできません。
| 中間気密測定 | 完成気密測定 | |
|---|---|---|
| 実施時期 |
気密層の施工完了直後 |
内装・設備・建具の完了後 引渡し前 |
| 目的 | 漏気箇所の発見と是正 | 性能値の確定と証明 |
| 是正の可否 | 可能。手が届く | 実質的に不可能 |
| 用途 | 社内の品質管理 | 施主提出用の報告書 |
| 数値の性格 | 途中経過 | 最終値 |
中間測定は「つくるための測定」、完成測定は「証明するための測定」です。前者を飛ばして後者だけを行うのは、材料を検品せずに完成品だけ検査する製造ラインと同じで、不良が出たときに打つ手がありません。
1回しかできない場合はどちらを選びますか?
中間測定をオススメします。
完成測定で悪い数値が出ても直せないからです。内装が仕上がった住宅で改善できるのは、点検口・配管貫通部・コンセントまわりなど、表からアクセスできる箇所に限られます。壁の中の防湿シートの破れや、断熱材と柱の取り合いの隙間には、もう手が届きません。
ただし、中間測定だけを行うのは、実際に居住する際の気密性能を測定していないことになります。
中間測定の価値は「直せること」。
完成測定の価値は「知ること」になります。

中間測定はいつ行うのが正しいですか?
「気密層が完成し、それを覆う工事が始まる直前」です。具体的には次の条件がすべて揃った時点になります。
- 防湿気密シート・気密テープの施工が完了している
- 断熱材の充填が完了している(断熱材で気密をとっていない場合は完了していなくても良い)
- サッシ・玄関ドアが取り付け済みで、枠まわりの処理が終わっている
- 給排水・電気・換気の配管配線の貫通部処理が終わっている
- 石膏ボードをまだ張っていない
判断が分かれるのは4です。設備業者の工事が終わっていない段階で測ると、後から開けられる穴が数値に反映されません。貫通部の処理が済む前の中間測定には意味がありません。逆に、ボードを1面でも張ってしまうと、その裏側の漏気箇所は目視で追えなくなります。
この2つに挟まれた期間は、現場によっては数日しかありません。ここに測定日を差し込めるかどうかが、工程管理の腕の見せどころです。
工程表にはどう組み込みますか?
「気密測定」という単独の作業として入れず、是正までの一連の工程として入れるのが定石です。
気密工事完了
↓
中間気密測定・漏気箇所の特定・是正(半日〜1日)
↓
ボード張り開始
是正の時間を取らないと、「数値は悪かったが工程が押しているのでそのまま進める」という結末になります。これが最も多い失敗です。
完成測定は、引渡し前の社内検査と同じ日に組み込みます。施主立会いで行えば、そのまま性能の説明の場になります。
完成測定を施主に見せるべきですか?
見せたほうが有利です。気密測定は、性能を数値で示せる数少ない機会です。
立会いで見せるときの構成は次の3点に絞ります。
- 測定中の状態を体感してもらう(ドアの重さを確認し、密閉感を認識してもらう)
- 24時間換気の説明を行い、密閉されているからこそ計画換気が実現することを理解してもらう
- 数値の意味を1文で伝える(「延べ床100㎡でC値0.5は、家全体の隙間がはがき3分の1枚分です」)
数値だけを紙で渡しても記憶に残りません。
体感と数値をセットにすると、施主は他社との違いを自分の言葉で説明できるようになります。
紹介が生まれるのはこの状態です。

リフォームや既存住宅でも測定できますか?
できます。ただしタイミングの考え方が変わります。
| 場面 | 測定のタイミング | 目的 |
|---|---|---|
| 断熱改修の前 | 着工前 | 現状把握と改修効果の基準値づくり |
| 断熱改修の途中 | 気密層施工後・仕上げ前 | 是正 |
| 断熱改修の後 | 竣工時 | 改善量(ΔC値)の証明 |
リフォームでは着工前の測定が特に効きます。改修前後のC値を並べれば、「何がどれだけ良くなったか」を数値で示せます。新築と違い、リフォームは効果が見えにくい。その弱点を測定が埋めます。
よくある質問(FAQ)
気密測定は何回行いますか?
原則2回です。気密層の施工完了直後に行う中間測定と、内装完了後に行う完成測定です。目的が異なるため、どちらか一方では代替できません。
中間気密測定はいつ行いますか?
気密層・サッシの施工が完了し、給排水や電気の貫通部処理が終わり、石膏ボードを張る前の時点です。この期間は現場によって数日しかありません。
完成してから気密測定をしても意味はありますか?
もちろん意味があります。完成してからの気密測定を実施しないと、実際に居住する際の気密性能はわかりません。
中間時測定後に気密性能が低下する可能性はかなり多くあります。
中間と完成、2回実施することが最も重要です。
気密測定は工程表のどこに入れますか?
測定だけでなく、漏気箇所の是正と再測定までを一連の工程として入れます。
完成気密測定に施主が立ち会ってもよいですか?
立会いを勧めます。減圧中にコンセントや点検口に手をかざしてもらうと漏気を体感でき、数値の意味が伝わります。報告書と体感をセットにすると記憶に残ります。
気密測定事業者に様々な疑問点を素直に質問してみることが重要です。
リフォームでも気密測定はできますか?
できます。断熱改修の前後で測定すれば、改善量を数値で示せます。効果が見えにくいリフォームでは、着工前の測定が特に有効です。
まとめ
- 気密測定は中間と完成の2回。
- 中間測定の適期は、貫通部処理の完了後、ボード張りの直前
- 是正の時間を踏まえて測定日を決める
- 完成測定は施主立会いで行い、体感と数値をセットにする
- リフォームでは着工前の測定が改修効果の証明になる
気密測定のご依頼・工程への組み込みのご相談
気密革命は、JIS A 2201:2017に準拠した中間・完成の気密測定と、漏気箇所の特定・是正指示、施主提出用の報告書作成までを行っています。工程表への組み込み方についてもご相談いただけます。
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出典・参考
- JIS A 2201:2017「送風機による住宅等の気密性能試験方法」日本産業標準調査会
- 気密革命 測定案件における中間測定・是正の実務
執筆:一般社団法人日本気密測定協会 理事/ヤマイチ株式会社 五十嵐最終更新:2026年9月10日